AFPの2026年11月1日付報道によると、暗号資産交換所Binanceは、60億ドル超の暗号資産が盗まれたサイバー攻撃後に停止していた出金を段階的に再開しました。同社の説明では、同日の出金額は46億5,000万ドル、入金額は10億1,000万ドルで、差し引き36億4,000万ドルが流出しました。盗難資産の補填を進めているとしていますが、その進捗には報道間で違いがあります。
純流出は管理資産の約2.1%
AFPが伝えた集計期間は、11月1日の世界標準時(GMT)午前6時から午後3時30分までです。純流出額は、同社が管理する総資産の約2.1%に相当するとしています。出金額は利用者への払い出しであり、攻撃による盗難額とは別の数字です。
英ガーディアンも、同日午後までに約36億ドルの純流出があったと報じました。同紙によると、Binanceは当初、Ethereumや同ブロックチェーン上のUSDT、USDCなどを含む15のネットワーク・資産で出金を再開し、その後DogecoinとAvalancheでも再開しました。残るネットワークや資産については検証中だと利用者に説明しています。段階再開であり、すべての出金が正常化したとの発表ではありません。
損失負担を表明、補填率は90%と95%の記述
AFPによると、Binanceは損失を賄うために63億4,000万ドル超の会社資金を確保し、盗まれた資産の90%に相当するトークンを買い戻したと説明しました。残り10%は流動性が低く、必要量の調達に時間がかかる可能性があるとしています。ガーディアンも補填率を90%と伝え、リチャード・テン共同最高経営責任者が、利用者に金銭的負担を負わせない方針を示したと報じています。
一方、インドのBusinessLineに掲載されたロイター記事は、盗難額を63億ドルとし、補填済みの割合を95%、残りを5%と記載しています。提供された記事だけでは、この差が更新時点や集計方法によるものか、誤記なのかは確認できません。補填の完了も確認できていません。
FBIは北朝鮮の関与を指摘
AFPとガーディアンが引用した米連邦捜査局(FBI)の声明は、2026年10月29日前後に起きた60億ドル超の盗難について、北朝鮮に責任があるとしています。FBIは北朝鮮とつながるTraderTraitorの関与を指摘し、盗難資産をEthereumに転換する動きを確認したと説明しています。
ただし、これは捜査当局の見解です。AFPは、トランプ米大統領が10月31日夜、北朝鮮の関与は分からないとの認識を示したとも報じています。BusinessLine掲載のロイター記事によると、北朝鮮は従来、国家と結び付いたサイバー部隊による窃盗などを否定しており、今回の取材に対してジュネーブの代表部と中国の大使館から回答はありませんでした。
