Appleは、M5 MaxおよびM5 Ultraを搭載した2026年モデルのMac Studioを発表しました。外観デザインは従来モデルを継承していますが、内部ではCPUやGPU、メモリ帯域幅、ストレージ、無線通信などが強化されています。
MacRumorsが公開した2025年モデルとの比較をもとに、主な変更点と、どのユーザーに買い替え効果が大きいのかを整理します。
2026年モデル共通の変更点
M5 MaxモデルとM5 Ultraモデルの両方に共通する主なアップデートは、次の通りです。
| 項目 | 2025年モデル | 2026年モデル |
|---|---|---|
| ストレージ | 従来のSSD | 次世代SSDアーキテクチャ、最大2倍高速 |
| Wi-Fi | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 7 |
| Bluetooth | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 6 |
| 映像同期 | ― | USB-C経由のGenlockに対応 |
Apple設計のN1チップを採用し、Mac Studioとして初めてWi-Fi 7とBluetooth 6に対応しました。
USB-C経由のGenlockにも新たに対応し、ディスプレイとプロ向けカメラの映像を正確に同期できます。映像制作や複数カメラを使った収録など、専門的な用途を意識した強化です。
M4 MaxとM5 Maxの違い
M5 Max搭載モデルでは、標準構成のCPU性能とAI処理能力が大きく引き上げられました。
| 項目 | M4 Max | M5 Max |
|---|---|---|
| CPU | 14コア、最大16コア | 18コア |
| GPU | 32コア、最大40コア | 32コア、最大40コア |
| GPUのAI機能 | ― | 各コアにNeural Accelerator |
| レイトレーシング | 第2世代 | 第3世代 |
| メモリ帯域幅 | 最大546GB/s | 最大614GB/s |
| ユニファイドメモリ | 主に36GBまたは64GB | 最大128GB |
GPUの最大コア数は40コアのままですが、各GPUコアにNeural Acceleratorが組み込まれました。行列演算を利用するローカルLLMや画像生成、映像処理などで大きな効果が期待されます。
Appleによるテストでは、M4 Max搭載モデルとの比較で、LM StudioのLLMプロンプト処理が最大3.9倍、テキストからの画像生成が最大3.5倍、DaVinci Resolve StudioのMagic Mask処理が最大3倍高速になったとしています。
ただし、これらはAppleが特定の構成とアプリを使って測定した結果であり、実際の性能差はワークロードによって異なります。
M3 UltraとM5 Ultraの違い
上位モデルでは、M3 UltraからM5 Ultraへの世代交代となります。
| 項目 | M3 Ultra | M5 Ultra |
|---|---|---|
| CPU | 28コア、最大32コア | 30コア、最大36コア |
| GPU | 60コア、最大80コア | 64コア、最大80コア |
| GPUのAI機能 | ― | 各コアにNeural Accelerator |
| レイトレーシング | 第1世代 | 第3世代 |
| Dynamic Caching | 第1世代 | 第2世代 |
| メモリ帯域幅 | 819GB/s | 1.2TB/s |
| 最大ユニファイドメモリ | 512GB | 512GB |
最大GPUコア数と最大メモリ容量は変わっていません。一方、メモリ帯域幅は1.2TB/sへと増加し、前世代より50%高くなりました。
Appleによると、M3 Ultraとの比較で、テキストからの画像生成は最大4.3倍、LM StudioでのLLMプロンプト処理は最大4倍、グラフィックス性能は最大1.8倍高速になっています。
最大512GBのユニファイドメモリと高いメモリ帯域幅を利用できるため、大規模なLLM、機械学習、VFX、8K映像などをローカル環境で扱うユーザーには、特に大きな強化となります。
現行M4 Max・M3 Ultraユーザーは買い替えるべきか
M4 MaxまたはM3 Ultra搭載モデルをすでに使っている場合、一般的な制作作業だけを目的に、すぐ買い替える必要性は低そうです。
筐体デザインや主要ポート、最大GPUコア数、最大ストレージ容量など、変わっていない部分もあります。2025年モデルの発売から短期間であることも考えると、多くのユーザーは現在のマシンをそのまま使い続けられるでしょう。
例外となるのは、次のようなAI負荷の高い作業を日常的に行うユーザーです。
- 大規模なローカルLLMの実行
- オンデバイスでの画像・動画生成
- DaVinci ResolveやNukeを使った機械学習処理
- 大容量データを使ったAIモデルの学習や推論
- 高いメモリ帯域幅を必要とするVFXや3D制作
こうした用途では、GPUコアに追加されたNeural Acceleratorとメモリ帯域幅の向上を活用できる可能性があります。
M1・M2世代からは有力なアップグレード候補
M1 Max/M1 Ultra、またはM2世代のMac Studioを使っている場合は、2026年モデルへの移行による違いがより大きくなります。
新モデルではAI性能だけでなく、Thunderbolt 5、AV1デコード、Wi-Fi 7、Bluetooth 6、高速なストレージなども利用できます。数世代分の性能と接続性をまとめて更新できるため、買い替え候補として検討しやすいモデルです。
購入時はGPUとメモリの組み合わせに注意
M5 Maxはすべて18コアCPUを搭載しているため、購入時の主な選択肢はGPUとユニファイドメモリになります。36GBを超えるメモリを選ぶ場合は、40コアGPUの構成が必要です。
M5 Ultraで512GBのユニファイドメモリを選ぶ場合も、80コアGPUとの組み合わせになります。
ローカルAIではGPU性能だけでなく、モデル全体を収容できるメモリ容量が重要です。必要なメモリを基準に構成を選ぶと、結果として上位GPUも必要になる点に注意が必要です。
日本での価格と発売日
Appleによる日本での価格は次の通りです。
- M5 Max搭載Mac Studio:419,800円(税込)から
- M5 Ultra搭載Mac Studio:949,800円(税込)から
予約注文は2026年8月25日に始まり、9月22日から販売されます。512GBユニファイドメモリ搭載モデルは10月後半に追加される予定です。
まとめ
2026年モデルのMac Studioは、外観を変えず、AI処理、グラフィックス、メモリ帯域幅、ストレージ、無線通信を中心に強化したアップデートです。
M4 MaxやM3 Ultraを使っているユーザーにとっては、AIを多用しない限り、急いで買い替える必要性は高くありません。一方、M1・M2世代からの更新や、大規模なローカルAI、VFX、映像制作を目的とする場合は、M5世代の性能を活用しやすいでしょう。
2025年モデルの中古・整備済製品を選ぶ場合は、新モデルとの価格差が十分に大きいかを確認することが重要です。価格差が小さい場合は、高速なストレージやWi-Fi 7、Neural Acceleratorを備える2026年モデルのほうが、長期的には選びやすい選択肢になりそうです。
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