今回のSlushAsia 2016の開催に合わせて、その前夜に北欧ベースとなるスタートアップのピッチイベント #NordicMadeに参加してきました。最近のIoTの分野からセンサー技術、シェアリングエコノミー、さらにはB2Bまで幅広くカバーし、とても充実した内容のピッチでした!
MCはSlushにてパートナーシップのリーダーを務めるGhita Wallinさんです!
Slush ChairmanのIlkka Kivimäki氏
北欧スウェーデン、デンマーク、アイスランド、ノルウェー、そしてフィンランドからなる地域ですが、人口としてはトータルで2600万人と小規模ながら、シリコンバレーに次いで企業価値の高い会社を生み出しています。2016年第一四半期だけでも34社がエクジットを行い、企業価値の総額は1.27billionドル(約13兆円)にも及ぶとのこと。下のグラフは、北欧ベースのスタートアップが如何に効率的にエクジットしているかを表すグラフとなっています。
flic
物理的なハードウェアボタンでライフスタイルを向上させようとするスウェーデンのスタートアップです。ボタンを押すことで部屋の明かりをつける、音楽を再生する、といった簡単なものから、お気に入りのピザを注文するといったことまでこなします。
acast
ポッドキャスト向けのプラットフォームでクリエイター向けの機能やマーケットプレイスも提供しています。こちらもスウェーデン発のスタートアップ。現在3200万リスナー/月のコミュニティーを持っているとのこと。
Solid Cloud
複雑で膨大な量のマルチプレイヤーストラテジーゲームである、MMORTSを開発しています。画面に見えているのは2万人がプレイ中のストラテジーゲームである、STARBORNE。このマップはズームイン可能で細部に渡るまで綺麗なグラフィックを提供しています。こちらはアイスランド発のスタートアップです。
weClean
ハウスキーピングのシェアリングエコノミーを提供するノルウェー発のスタートアップです。「週末友達が遊びに来るので部屋を綺麗にしなくちゃ!」や「二日酔いで全然部屋を片付ける気力がない〜」といった時に気軽に簡単にweClean経由でスタッフを呼ぶことができるというもの。全スタッフはweCleanよりトレーニングを受けたプロで構成されており、万が一に備えての保険をスタッフ側また依頼側に提供する。
DeeMe
写真をベースとしたメッセージアプリを提供するスタートアップ。やり取りしたイメージの上にチャットが重なっていくといったユーザー体験で、現在グローバルで75万ユーザーと急増中です。特にブラジルで大人気とのこと。アーティスト向けにファンクラブのコミュニケーションツールとしての利用シーンも注力するようです。こちらはノルウェー発となっています。
AppStore
Google Play
Tradeshift
B2B向け、Facebookのビジネス向けの様なプラットフォーム。約5年の歳月をかけ、デザインセントリックなサービスを手掛けています。デンマークコッペンハーゲンに本社を構える会社です。
MindField Game
VRにフォーカスを当てたゲーム開発会社です。PS4向けのゲームタイトルも近日中に販売予定、また全てデジタル配信とのこと。こちらはフィンランド発のスタートアップとなっています。CEOであるVille氏によると、PS4で提供されるPlaystationVR(PS VR)は、競合であるOculus RiftやHTC Viveと比較するとスペック的には劣るものの、ユーザー側での環境が担保されているので、ユーザー毎に異なるパソコンのグラフィックスペックなどを気にすることなく、ゲーム自体の開発に注力できるメリットがある、としました。
enevo
IoTセンサーとビックデータを活用したフィンランド発のスタートアップです。メインはゴミの収集作業向けに家の外に配置する大きなゴミ箱や、駅や公園といったパブリックスペースのゴミ箱にセンサーを取り付けてモニタリングし、ゴミ収集の最適なルートをドライバーに提示する事で効率化を図る、といったものです。
まとめ
紹介された企業や小規模なスタートアップから既に多くの実績を持っている企業、またエンターテイメント分野からB2Bソリューションと、非常に幅広いエリアがカバーされており、北欧での起業家精神やスタートアップ事情を直に感じることができました。機会があれば、是非こうしたサービスを北欧の現地で直接体験してみたいものです!