日本円で100万円を突破後、米ドルでも1万ドルという大台に乗せて波に乗るビットコインですが、ここ最近は自宅のPCを使ったり、ASICチップが搭載されたAntminerの様な専用マシン、さらにはクラウドにてビットコインのマイニング(発掘作業)を行うユーザーが急増しています。マイニングには膨大なプロセッサ能力が求められるため、必要とする電力が大きなコストとなってきていますが、電気自動車であるTeslaオーナーの1人が何と車中でマイニングに挑戦!というニュースがネット界隈で話題になっています。
今回Facebookグループで共有されたこのツワモノの投稿ですが、Tesla モデルSのトランクに設置された複数のボードや数々の配線を確認できます。他のユーザーによれば、搭載されたGPUはそれほどパワフルなものではなく、ビットコインのような高負荷のかかる仮想通貨ではなく、Ethereumといった通貨向けのマイニング環境では、とコメントしています。
ご存知の方も多いかとは思いますが、テスラのオーナーは、各所に設置されたスーパーチャージャーステーションにて、基本無償で自動車への充電を行うことができます。つまり、このマイニング環境では通常コストの掛かる電気代が実質タダ、かつプロセッサからの熱対策なども、車のエアコンを活用することでクリアになるという、正に「モバイルなマイニング環境」を実現したようです。
こうしたマイニングは24時間365日の稼働が前提となっており、シミュレーションによれば毎日稼働させることで毎月のTesla モデルSのリース代を賄うぐらいの収益になるのでは、としています。
モラル的には大丈夫?
ここで気になるのは「モラル的にどうなの?」という点で、この投稿に対して賛否両論が投げかけられています。「これって、電気代を盗んでいることになるよね」や、「自宅でマイニングするよりは効率が良いんじゃない」といった意見が飛び交っています。本来、電気自動車用の用途として充電ステーションを供給しているテスラですが、こうした想定外の用途には今後何らかの手段を講じると思われています。
それにしても、スマホやガジェットなどがより高性能になる中で、充電時間なども長くなり、車内での充電環境なども充実していく中、「自動車を稼働させる」という本来の目的以外の用途で電気が利用されている、という事実もあります。従来のガソリンやディーゼル車では、オーナーがガソリン代を支払う訳ですが、電気自動車業界ではテスラのような会社が無償で提供しているということもあり、この投稿は今後物議を醸し出すことになりそうです。
発信元:The Next Web